ミスが発生する環境

最近、日本航空のトラブルが続いている。今日もこんなニュースが。
日航機が油漏れで離陸中止、成田滑走路は一時閉鎖 - 読売新聞/Yahoo! ニュース

これだけ続いているのは単に運が悪いのか、起こるべきして起こっているのか断言はできないけど、こういった業務上のミスやトラブルについてこんな法則があるのを思い出した。

ハインリッヒの法則 (1:29:300)
簡単に言うと、1つの重大事故(死亡・重症事故)が発生する背景に、29の軽い事故(軽症事故)があり、その裏にはさらに300件のヒヤッとした経験があるというもの。アメリカの技師ハインリッヒが、労働災害の事例を調べて導き出したもの。企業経営などの観点からだと、1件の大失敗の裏には29件のクレームがあり、さらに社員がヒヤッとしたが見過ごしているような問題が300件あるというように使われる。JAL の問題にこれをあてはめると、そのうちとんでもない事故が起こるということになってしまう。そうなる前に、なんとか立て直さないといけない。

現在、JAL は持株会社(日本航空=設立時は日本航空システム)と事業会社2社(日本航空インターナショナル=旧JAL、日本航空ジャパン=旧JAS)で構成されているが、2006年度中に3社を合併させる予定らしい。現在の3社体制が最終形態として発表された JAS との経営統合が完了したのがちょうど1年前。経営判断が甘すぎる気が。この理想の組織と現実の制約や業務体制がかみあっていないのは今に始まったことではない。例えば、当初は貨物事業会社を含めた持株+3社体制になるはずだったのに、空港の発着枠規制の問題から2社(貨物はインターナショナルが担当)に変更した経緯がある。一通り記者発表をした後に。当初は大した話題にならなかったが、慢性的に経営側が現場の状況を十分把握できていない中で起こった1つの問題(インスタンス)だったのかもしれない。

じゃあ、どうすればいいのか、ということでもう1つ、ヒューマンエラーについて紹介。ヒューマンエラーとは、そのまま「人間が犯す過ち」という意味。言いたいことは、航空事故に例えてこのあたりでほとんど解説してくれているけど、はしょりながら説明。

世の中の事故というのは、何が原因かと言うのを調べると、機械など技術的な要因もあるけれど、60%~80%は人間のミスによって起こると言われている。実際、技術が進歩して完璧な機械が世の中にあふれても、どんな場面でも事故はなくなっていない。そこで、人間はミスをしてしまうことを前提に、人はどのようなミスをしてしまうのか、どのようなシステムが事故を減らす(防ぐ)ために有効かが研究されている。学問的には心理学、人間科学だが、企業経営の観点からも注目の話題。

本来、航空会社というのは事故を起こすわけにはいかないので、事故を防ぐための安全対策は恐ろしいほどやってきた業界。わかりやすいものとして、航空機はエンジンがいくつか止まっても飛行できるし、フラップなどの動きをコントロールする油圧系統は完全に分離したものが数系統用意されているし。でも、多くは機械のトラブルが発生しても事故につなげない対策。ヒューマンエラーへの対策は、20年ほど前から力が入れ始められたものの、十分とは言えない事故がよく起こっている。JAL で単純なミスによる事故のニュースを見ると、まだまだヒューマンエラーの対策を考えないといけないのに、煮詰まる前にコスト削減に走りすぎていないか考えないといけない気がする。
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by sy_tram | 2005-04-17 21:37 | ニュース・教養
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